九 後編 世界を終わらせるにあたって


 最後に全力で走ったのはいつだっただろうか。そう記憶を辿りながら、三島伸一は走ります。顔を垂れる雨水を制服の袖で拭いながら、三島伸一は暗い夜道を走ります。一歩進むごとに足が熱を持ちました。濡れた路面を踏みつける度に、伸一の筋肉の少ない足が、そんな走り方は不効率きわまりないと叫び声をあげます。力の限り足を振り上げて、腕をばたつかせ歯を食いしばり、大げさに呼吸を繰り返す。そのような走り方では、このさきすぐ倒れ込んでしまう。見境なく、節操無く、後先考えず動いていたら、間もなく力つきてしまう。伸一の体はそう訴えかけていました。しかし伸一にその声は届きません。届いていたとしても、彼はそれを無視していました。
 走ろうと三島伸一は思います。今はただ、走ろうと。彼が雨に濡れて走るのは、柏崎波子のためではありません。刈羽優のためでも、石地万代のためでもありません。惨めな自分から逃げるために走っているのです。なにもできない、なにも決められない、なにも役に立てない、自分はそういう人間であると彼は改めて感じていました。もちろんそれに明確な理由も明瞭なきっかけもありません。ちいさな失敗や曖昧な不安が、部屋の隅にたまる塵のように次第に大きくなり、不快な存在感を増しながら伸一の自信までも奪っていったのです。それはありふれた自信喪失の過程でした。しかし同時に、伸一にとっては未曾有の大災害でした。毎朝飲んでいた水が毒にまみれていたような絶望だったのです。綺麗な水が、その透明の内側に死を孕んでいる。それに気づかず彼は少しずつ体内に毒を溜め込み、たった今それが致死量に達しました。ただそれだけの絶対で、三島伸一のちんけな自尊心は揺れに揺れたのです。そして波にさらわれる砂のように、少しずつ穏やかに絶え間なく止めどなく、削り取られているのです。
 三島伸一は走ります。迫り来る波から逃げるように。降りしきる雨を避けるように。泥を跳ね上げ小石を蹴飛ばし、時々転びそうになったり雨水で咽せたりしながら。こみ上げてくる吐き気を唸りながら押さえ込み、すれ違う車のライトに幻惑されて、傘を差す人に嘲笑されて、ああもう歩こうぜ馬鹿だよこんなのくだらないよ全力なんて! そう笑いたくなったところで、彼は転びました。

 手のひらにうっすらと血が滲みます。横隔膜が痙攣してまともに息を吸えません。短躯な呼吸を幾度も繰り返します。舌の付け根と喉がくっついてしまったようでした。全身が火照り熱の固まりとなった伸一には、体に当たる雨の一粒一粒の形さえもはっきりとわかりました。雨に濡れたアスファルトが伸一の頬から熱を奪います。大粒の雨が伸一の制服に当たり、細やかな振動を彼の体に響かせました。
 もうやめようか。彼は思います。
 よくやったよ、それっぽく青春したじゃないか。言われたとおり馬鹿みたいに走って馬鹿みたいに考えて、おまけに盛大にずっこけたんだ。手は切れるし、足は痛いし、これも立派な満身創痍だ。ほらどうだ、いい感じにボロボロだろ。石地さんだってわかってくれるさ、頑張って柏崎を探したけどダメだったって。頑張って頑張って頑張って、走って走って走って、その結果俺は今こうやって、俺は今、こうやって、こうやって。
 伸一は軋む体を仰向けにし、全身で雨を浴びました。両足の感覚がぼやけています。太股の骨が肉の内側で膨らんでいるような錯覚に見回れていました。体中のいたる所が小刻みに震えています。
 彼が思い出したのは柏崎波子の泣き顔でした。伸一が初めて話した時、彼女は道路に倒れ血まみれで泣いていました。おじいちゃんの脅威から逃げ出しヴェスパにはねられ、彼女は泣いていました。今の伸一と同じように、逃げ出した先で身動きがとれなくなったのです。
 その後どうしたっけ、と伸一は記憶を辿ります。
 ああそうそう、俺がヴェスパのケツに乗せて運んだんだ。虐待かなんかされてると思って、ついつい同情して。まるで自分自身を見ているようだったから、つい。ヴェスパって二人乗っても普通に走るんだな。タイヤが沈んだのはよくわかったけど、これは柏崎には言えないな。あの時だよ、あの時なんで事故っちゃったんだろう。あれさえ無ければただ家に帰って、普通に風呂入ってウィダーインゼリーを飲んで、いつも通りつまらないテレビを見て、誰とも話さずゆっくり眠れていたんだろうな。そんでもって相変わらずの時間に起きて、一人分のコーヒーに必要なだけ水を沸騰させて、垂れ流すようにニュースを見るんだ。お湯が沸いたらマグカップに注いで、そこら辺で石地さんが来たのかも知れない。そうなったらカレーの差し入れにツッコミを入れて、ちょっと笑わせてもらって、後は学校へ行って日常の繰り返し。そうなるはずだった。
 伸一の鼻腔に雨が何度も垂れていきます。そのつど彼は咳き込みました。時々咳に痰が絡み、気管が痛みます。伸一は痛みをはっきりと感じていましたが、それを受け流すように「はずだったんだよなぁ」と掠れた声で言いました。
 いつも通りのはずだった。こんなに流されて、ここまで惨めになる事はなかったんだよ。自分がなにもできない奴だなんて、改めて思い知らされることも無かった。まったく、流されまくってるとは思っていたけれど、まさかここまで流されてるとは。周りが強烈すぎるんだよ。石地さんは何者かわからねーし、刈羽は怖いしさ。
 伸一は目を瞑りました。そして思い描きます。波子を探しに行ったのが刈羽優だったら、今頃既に見つけだして石地の元に連れて帰って来ているのではないかと、伸一はそう思いました。溜息をつき、そして思い描きます。
 今の自分を刈羽優が見たら、なんて言うのだろうかと。
「波子のせいにしてんじゃねーぞ三島」
 伸一は優の口調を真似しました。
 そして目を見開きました。
 本当は飛び起きてしまいたいくらいでしたが、彼の体はまだそこまで動きません。伸一は、もういちど声に出さず繰り返します。波子のせいにしてんじゃねーぞ。彼は考えました。じっと考えました。今自分が何気なく口にした言葉の、その意味を。 

 そして笑います。三島伸一は笑います。
 ああ、ああ、なんだ、なんだよ、たしかにそうだ、たしかにそうか。流されていると思っていたけど、ちょっと違うじゃないか。そりゃ確かに刈羽の言いなりになって部屋を貸し、石地さんの言う通りに柏崎を追いかけているけれど。
 最初に柏崎を拾ったのは俺の意思じゃないか。
 三島伸一は、笑います。
 そうか、そうだよな、結局そうだ。全部俺のせい。流されるきっかけを作ったのは俺自身。今この最低最悪で馬鹿馬鹿しい状況を作り出したのは、自分自身。惨めで何もできなくて、悔しくて情けなくて、後悔しても悩んでも結局嫌な思いをしているのは、本を正せば全部自分に原因があるってことじゃないか。
「くっだらねえ」
 三島伸一は立ち上がります。
 そして一歩前進しました。体がふらつき、両足が腫れているのがわかりました。それでも彼は、もう一歩、さらに一歩前へ進みました。
 三島伸一は、考えます。これを考えたらもういちど走るつもりで、彼は考えます。
 もういいや、全部俺のせいで。そう考えた方が楽だろ。俺が惨めなのは俺のせいさ。俺が情けないのも俺のせいさ。俺がくだらないのも俺のせいさ。うん、わるくない。これはわるくない。少なくとも、惨めじゃない。柏崎のせいでも、刈羽のせいでも、石地さんのせいでもない。俺のせい。認めにくいけど、それでもいいから、よし、わかった、走ろうか。
 三島伸一は走りました。
 家を出るとき、波子が食事を作ってくれると約束していたことをふと思いだすと、少しだけ早く走れる気がしました。

 そして彼は見つけます。
 全身の筋肉が弛緩し、倒れて動けなくなっている柏崎波子を。



 三島伸一が見つけた柏崎波子の体はとても冷たく、呼び掛けても揺さぶっても何も反応がありませんでした。彼女の纏う服はそぼ濡れて、地べたの泥で汚れています。おじいちゃんに切られて短くなった髪が束になり、真っ白な頬にへばりついていました。半開きとなった唇は、雨に濡れているというのに酷く枯れていて、よく見ると小さな亀裂がいくつも入っていました。
 禿頭の男に打たれた注射の副作用がでていることを、伸一は知る由もありません。
 伸一はやおら屈みこみ、怯えるように波子を抱き上げます。柏崎、柏崎となんども名を呼びました。伸一の両腕に抱かれた波子はその痩躯からは想像できないほどに重く、芯が抜けたかのような無気力を彼に乗せかけます。
 起きろ、起きろと彼は叫びました。声を張り上げ、喉が削れるほど叫びました。しかし波子の様子は少しも変わらず、雨音混じりの静寂が夜の歩道を満たします。伸一が波子を揺さぶりました。ぶらんぶらんと波子の首が揺れ、腕が投げ出されてそのまま垂れ下がりました。伸一は焦ります。死んでいるのではないかと焦ります。
 伸一が波子の頬を打ちました。それでも波子は微動だにしません。彼がもう一度、今度は強く頬を叩くと、波子の瞼が微かに動きました。彼はここぞとばかりに波子の名を呼びます。彼女の名前を、大きな声で呼びます。波子、波子! 
 すると波子は細く目を開き「みしまくん」と呟きました。伸一は安堵します。ああ、死んでなかった。自然と彼の顔が綻びます。
「柏崎、大丈夫か?」
 波子の視線は伸一に向けられていましたが、その双眸は伸一の向こうにある夜空を見ているようで、どこか不安を覚えさせます。
「さむいの」
 その一言で堰を切ったように波子の体が震えます。その震えはとても大きく、波子を抱きかかえた伸一に恐怖を抱かせるほどでした。
「おい大丈夫か!」
 波子が泣き出しそうな顔をして、さむいさむい、と小さな声で繰り返します。唇が紫色に変色していました。
 なんとか暖をとらないと。そう伸一は考えました。このままでは本当に波子が死んでしまう。しかし辺りを見回しても闇ばかりで、人の気配はありません。それならば石地を呼ぼうと、伸一が携帯電話を取り出します。画面に大きな罅が入り、そこに雨水が入り込んでいました。先ほど転倒した際に破損していたのです。
「なんだよ!」
 何回か携帯電話を操作して、伸一はそれを車道に投げ捨てました。携帯電話が部品を落としながら車道を滑っていきます。伸一はその様子を苛立って見ていました。ああくそ、まずいぞこの状況。やがて携帯電話は対向車線側の歩道の縁石にぶつかって止まります。ふと伸一が呆けた声を出しました。携帯電話の先に、小さなバス待合所がありました。

 伸一は波子をおぶり、車道を横断します。先ほどの全力疾走で伸一の足はまともに動かなくなっていました。筋肉や神経が焼けたように固まっていて、波子を担ぐとまともに歩行できない状態でした。足を引きずりながら伸一は歩きます。ほんのすこし移動しただけで、叫びたくなるほど足が痛みました。しかし彼は耐えます。波子の震えを背中で感じると、彼はどうしても助けなければいけないと思ったのです。理由なんて特に無く、ただ彼がそうしたいから。
 やがて伸一は波子を担いだまま車道を横断し、バス待合所に入りました。
 そのバス待合所はトタンをつなぎ合わせた質素な造りで、建物の中には電気や窓は無く、長いベンチが一つ置いてあるだけでした。ベンチは埃をかぶっています。天井の隅には幾つものくもの巣が張られていました。
 伸一は少し躊躇って、波子をベンチに寝かせました。
「柏崎、大丈夫か?」
 波子は相変わらず酷く震えていました。伸一は歯噛みします。
「みしまくん」
「どうした?」
「わたしは、だいじょうぶだから、わたし、だいじょうぶ」
 波子は目をつぶって繰り返します。わたしはだいじょうぶ、わたしはだいじょうぶだから。伸一は困惑しました。いったい何が大丈夫だというのだろうか。今の様子が大丈夫というのなら、なぜそのように死にそうな顔をして、泣きそうでいるのだろうか。
「なに言ってんだよ」
「だいじょうぶ。だから」
 柏崎波子は言います。
「いいよ、わたしのことは、いいから。ほっといて、いいから」
 だから構わないで。そう波子は言いました。伸一は言葉を失います。一切の言葉を失います。
「ね、だいじょうぶ。だいじょうぶだから、かまわないでいいから」
 柏崎波子は少しも泣きませんでした。体を震わせ小さな声で、私は大丈夫だと繰り返しました。
 彼女は恐れているのです。他人と関わることを恐れているのです。刈羽優の告白を耳にしてしまってから、波子は心のよすがを失っていました。ちっぽけな依存ではありましたが、いざ無くなると実に寂しかったのです。それはごく狭い幅の人間関係しか築いてこなかった人間の持つ脆さでした。頑なに閉塞的な世界観を持つ人間の儚さでした。何か一つにすがりつくというのは、その一つに殺されるということなのです。
「ほんとうに、だいじょうぶだから」
 伸一は、すこしだけ泣きそうになりました。
 喉のずっと奥深くから、なにか硬く乾いたものが出てきそうでした。
「かしわざき」
 一体なにが大丈夫だというのだろう。彼はわかっているのです。大丈夫という人の本心を。
 三島伸一は柏崎波子の手を握りました。
 酷く冷たくて、白く細くて、柔く曖昧で、儚くも美しく、夢も希望もないような、小さな小さな手でした。
「助けてくれって聞こえるよ」
 柏崎波子は弱々しい様子で、三島伸一の手を振り払おうとします。
 だから彼は強く抱きしめました。
 柏崎波子を抱きしめました。



 柔らかい。波子を抱きしめた伸一がまず感じたのはそれでした。次いで体の冷たさ。それから髪の甘い香り。毛先から垂れる水滴の小ささ。波子の震え。それらが一度に伸一の体へ流れ込みます。
 本当に死にそうなのだなと伸一は思いました。細い身体を抱く腕にあと少しの力を込めれば、彼女の命はあっけなく終わってしまいそうでした。一捻りすればこの場で殺せてしまいそうでした。駅のホームに立つ人の背中を蹴るくらい楽な動作で、照明のスイッチを切る時のように何気なく。
 伸一は両腕のやり場に困ります。寝ていた波子を半ば強制的に抱き寄せたので、今彼の両手は波子の背中に回っていました。
「いやだ……」
 波子の小さな声が伸一に届きました。しかし彼は抱き寄せるのをやめません。
「なぁ、柏崎」
 返事は返ってきません。変わりに波子は動かない体を無理矢理ねじらせ抵抗の意思を露わにします。
「聞いてくれよ、柏崎」
 伸一は抑揚無くそう言いました。
「やだ、いやだ」
 波子は逃げようと必死です。しかし薬の影響で身体の全部へ力が伝わらないのです。
「そうか、それなら勝手に言うよ」
 伸一は滔々と語りました。さも昔からそう思っていたかのように。これが己の哲学であるかのように。
「なぁ、柏崎。俺がおまえを助けるのとか、刈羽に手を貸すのとか、そういう事に大した理由なんてないんだよ。ただなんとなく、可哀相だからだの惨めだからだの、そんなもんさ」
 波子は何も言わず、ただただ伸一の身体から逃げようとしました。
「いいんだ俺はこれで。これでいいんだ、もう、いい」
 トタンの屋根を打つ雨が不規則な拍をとります。伸一は、波子を抱く手を少しだけ弱めました。
「だって、結局よくわからないんだ。刈羽のような決意もない。石地さんみたいな凄さもない。まるで俺だけ雑魚キャラだ」
 波子は、少しだけ伸一の話を聞いていました。けれど今は、誰の傍にも居たくありません。だから彼女は「いやだよ、やめてよ」と言い続けるのです。伸一はめげずに続けます。
「俺は、力のない人間みたいだ。今こうやって、なんとか柏崎を見つけだしたってのに」
 彼は大きく嘆息しました。
「足が痛くてろくに動かない。まっすぐ来た道を戻ればいいだけなのに、俺は、それすらできない」
 なんだか子どもの言い訳のようだな、と伸一は失笑しました。
 波子は今も、嫌だ嫌だと続けています。
「だから俺はもうやめるよ。何をやめるかなんて知らないけど、俺は今の俺をやめるよ」
 それが良いか悪いかは別として。
 しかし、三島伸一の真意など、柏崎波子には到底届かないのです。
 分かり合うことはないのです。
 相容れるはずがないのです。

 波子はなんだか急に悲しくなって、いよいよ独りぼっちになったのだなと実感して、人に抱かれているというのに孤独を悟りました。そしてほんの一瞬、いやらしい欲望が波子に芽生えました。この状態なら、こんな最低な状況なら、もうどうなってもいいし、何をされても諦めがつくのではないだろうか。そう彼女は思いました。めちゃくちゃに破壊して欲しいとさえ思いました。粉々にすりつぶして欲しいと願いました。それが叶わないのなら、自分の人間としての尊厳をすべて否定して欲しい。自分の心を陵辱して欲しい。徹底的にいたぶって、無慈悲に責め上げて、絶望的なまでにバラバラにして、戻れなくなるくらい壊してはくれないだろうか。目の前で砕け散った両親のように、跡形もなく溶かして欲しい。自分自身を、終わらせてはくれないだろうか。
 柏崎波子は自身の世界を終わらせるにあたって、全て諦めようと思いました。これから先は、すべて風任せに。ここで動けないまま居るのも良いし、おじいちゃんの元へ行き酷いことをされるのも構わない。
 気ままに壊されていこう。それが一番、苦しくないもの。
 しかしそれには波子を抱く伸一は邪魔でした。
 とてもとても、邪魔でした。
「この馬鹿みたいな騒ぎが終わったら、俺に料理作ってくれよ」
 とてもとても、邪魔でした。
 こんなありふれた優しさは波子にとって、純粋に邪魔でした。
 だから彼女は言います。
「いやだっ……いやだあ」
 心の底から叫びます。
 嫌だ。
 嫌だ。
 嫌だ!

 三島伸一は柏崎波子から拒絶されても尚、彼女を強く抱きしめ続けました。
 二人は密着していましたが、冷たい雨を吸った服がお互いを隔てているので、体温は下がっていく一方です。
 やがて伸一も寒さと疲労で動けなくなりました。
 もう少しも、身体に力が入りません。
 伸一が波子を抱いたまま地面に倒れました。
 その途中で二人の身体は離れました。
 波子はベンチの上に置き去りにされ、伸一は埃と砂まみれの地面で動かなくなります。
 やっと一人になれた波子は安堵しました。
 三島伸一は、悔しくて情けなくて、泣きました。
 まばたきせずに、泣き続けました。


sage